廃線間近!! 日高線の”いま”を見てきた【日帰り旅④】
▲おなじみ札幌駅西口
10連休!!!!!!!
10連休でお出かけしないとかどんだけおうちが好きなんですか(煽
…ということで、
史上初のGW10連休の真っ只中、
平成最後の旅!!と題して1日散歩きっぷにて日高線を制覇してきました!!
今回は、札幌⇄様似(日高線)の往復。
とてもシンプルな行程になっています。
(余談ですが、札幌→様似間の片道乗車券が4,320円します。つまり、
2,260÷8,640=0.261…
ということで、約74%OFF TICKET!!となるわけです。)
▲札幌 6:09 発
この6:09発苫小牧行き……、、'18年の東北旅でスーパー北斗が運休しまくって6日間の旅の計画が一瞬で吹き飛んだことを思い出す……('18年東北旅①)。
▲お隣の苗穂駅
最近新しく駅を移転し、ピカピカになった苗穂駅。
雰囲気はそのままに、ものだけがピッカピカって感じでした。
ものだけピッカピカ……新函館北(ゲホンゲホン
▲南千歳発車後、右手。新千歳空港がよく見える
▲苫小牧 7:16 着
うたた寝をしつつ、苫小牧に到着です。
▲苫小牧駅南口
コンクリートでできた相変わらずの素っ気ない駅。
あっ、、さすが工場の街:苫小牧!
工場を連想させる非常に現代的でメッセージ性の高いデザインなのか!!
少し時間があるので外へ出てみました。
苫小牧には何度目の訪問か分からないくらいたくさん来ました。
この光景も見慣れたものです(←贅沢w)。
苫小牧は、港町でもあります。
我々にとっての北海道の玄関は千歳になるわけですが、貨物にとっての玄関は苫小牧です。
JR貨物による輸送のターミナルであることはもちろん、旅客においても、室蘭線、千歳線、日高線の3路線が交わるJCTとなる駅。
この線路の本数には圧倒されますね。
そして日高線の優駿浪漫デザインをしたキハ40がポツリ。かわいい。
▲苫小牧駅1番ホームに表示される「普通 7:54 様似」
ホームに戻るとそこには「普通 7:54 様似」の表示が……。
<日高線のイントロダクション>
日高線(正確には日高本線)は絶景な車窓が多いことで有名なローカル線。
日高のサラブレッドや海岸線ギリギリを走るその景色が車内からも車外からも美しく、鉄道ファンはじめ地元の方からも愛されてる路線。
が、2015年1月、(海岸線ギリギリなので)高波により路盤が流出し不通に。
その後も台風などなど(詳しい経緯はwiki先生参照)で被害箇所は増え、もともと赤字ローカル線だったこの日高線を復活させるつもりはJR北海道にはなく。
地元自治体と散々もめ(詳しくはwiki先生(ry、結局は日高線の一部廃止がほぼ確実なものとなりました。
廃止は2020年度ではないかと言われています。
現在(2019年4月)は、苫小牧〜鵡川間のみ鉄道で運行しており、鵡川から様似間は代行バスが運行しています。
……簡単に日高線を紹介しました。
7:54発の日高線は鵡川までしか行きませんが、電光掲示板および時刻表は「様似行き」の表示のままです。
▲苫小牧駅ホーム上の時刻表。すべて鵡川止まりだが、当時走っていたであろう「様似行き」「静内行き」の表示が。
苫小牧駅のアナウンスも「様似行き到着です」と何度も案内していました。
「鵡川行き」とせず、あくまでこの列車は「様似行き」なんだと。
廃止を宣言したJR北海道は(一方的に宣言したこともあり)随分と叩かれましたが、本当はJR北海道としても廃止にしたくない路線だという思いが伝わってきたような気がします。
▲1番線に入線した「様似行き」
さっきぽつんと止まっていたかわいいやつではなく折り返し2両列車がやってきました。
▲日高の山々とサラブレッドをモチーフにしたデザイン
行き先表示はなく、「日高本線」のみ。
ロゴ入りの専用列車があるのは日高線だけで、他の大ドル箱都会千歳線や函館線、ど田舎大赤字ローカル宗谷線や石北線などにはありません(釧網線など専用ラッピング列車はありますが、路線名は書かれていないですよね)。
これも日高線が地元から、はたまたJR北海道から愛されているんだなと感じるひとつだと思います。
▲賑わう苫小牧駅。右が日高線、中央が札幌発の東室蘭行き、一番左は室蘭発苫小牧止まりの列車。
乗車を待っていると次々に列車が苫小牧駅に入線してきて、ホーム上は人でごった返し(北海道ver.)に。
通学時間帯とかぶり、地元の中学・高校生の姿が目立ちました。
GWまっただ中なのに部活かな??と思いつつ、日高線に乗車する地元の人も多かったですね。
▲日高線の車内の様子
車内は1両目に高校生がたくさん乗っていました。
後ろより2両目は比較的のんびりといった感じ。それでもボックスは1人ずつ埋まる程度です。
GWまっただ中ですから、大きなお友達(=旅行者)も数人見てとれました。
苫小牧 7:51 発
ピンぼけしてますね。どんなにピントを合わせても合わない……。
JR北海道、窓をきれいにする体力も残っていないのか。。。
▲鵡川駅に到着したかわいいキハ40
8:22 鵡川 着
▲鵡川駅の全景
右奥のホームから線路を渡りここへ来ました。
現在は基本左側の線路、そしていま立っている手前のホームを使うことはもうありません。
▲不通区間を見る
ここから見る限りこの先も普通に走れそうな雰囲気があるのがまたいたたまれない…。
▲列車代行バス
路線バスと同じタイプのバスで運行されているようです。
▲代行バスの車内
車内はこんな感じ。
旅行者とおぼしき方も多かったですが、それよりも地元の方の利用が多かったです。
乗車率も席8.5割といったところでしょうか。なかなかの乗車率だと思います。
▲汐見駅の全景
海にほど近く、港関係の施設が多い印象。
家はまばらでしたが、1名の降車がありました。
▲汐見駅発車直後の車窓
汐見駅の陸側。
畑と荒野が広がり、人が居る気配はありません。
▲国道235号線のおにぎり
代行バスは、日高線と平行する国道235号を基本的に走ります。
数分~十数分走ると脇道へと入り、駅が見えてくる…。
汐見駅は国道から随分と遠いところに位置しており、(多数の乗降も比較的無いことから)何本かのバスは通過するそう。
これは汐見に限った話ではなく、他にもいくつかの駅が同様の理由で停車しません。
……汐見に止まらないだけで15分も早くなるとなると…、、そりゃあ飛ばされるよなぁ、と。
▲富岡駅
基本的には線路と並行して走る235号。
車の所有率の向上や新道路の整備が進む中、全く勝機が見えない日高線。。
2018年には無料高速である日高道も延伸され、ますます便利になってゆく道路事情。
鉄道の魅力といえば「大量輸送」「速達性」が挙げられると思うんですが、日高線はどちらもない。。
地図上でそう思うのと、実際に目の当たりにするのでは感じ方が全然違いますね。
前者は(やはり)他人事感が否めませんが、後者はすごく身近なことのように、自分ごとのように感じます。
乗り降りはとても多かったですね。
日高町は、日高線の折り返し区間を現在の鵡川から3駅先の日高門別まで延長して欲しいとJR北海道に要請していたそうです。
たしかに日高門別はたくさんの住民が使う駅のようですし、この要請も納得です。
なぜ鵡川止まりにしているのでしょう(代行バス関係で何か不都合があるのでしょうか。
高潮の被害を受けたのは随分と先の区間ですし、日高門別までは海沿いを走るわけではないのでリスクもないと思うのですが……。
日高線の廃線(バス転換)をめぐり、苫小牧〜鵡川間だけでなく鵡川〜日高門別間も鉄路として残して欲しいと最後まで粘っていたのが日高町でした。
日高門別までの整備費(1億円程だった気がします)も日高町が負担すると言っていたはずだった気がしますが。。
追記)18年9月の胆振東部地震で日高門別までの線路がずれてしまった箇所があるらしく、2ヶ年5億円の修理費がかかるとのこと。これで復旧がますます遠のいてしまいました。。。
▲235沿いで寝そべるサラブレッド
日高と言えばサラブレッドでしょう!
至る所にサラブレッドたちの遊び場が広がっています。
▲豊郷駅
草が生い茂っている。。放置感すごい。
▲厚別側を渡る
厚別川。後ろはすぐ太平洋です。そして真裏に日高線があり、きっと大迫力な車窓だったに違いない。
牧場なのか荒野なのかわからない。
このような風景がずっと続きます。
▲新冠駅
新冠駅。にいかっぷと読みます。
ここは家が多く、多くの乗降がありました。
駅の中も人が多くて、駅ナカでお店でも開いているのでしょうか??
▲静内駅前ロータリー
静内に到着。
バスは静内で系統分離しており、鵡川から静内間と、静内から様似間で分かれております。
というわけで様似行きのバスに乗り換え。
帰りも静内駅で降りることになっているので、いまはスルーしてあとでゆっくりみることにしましょう。
(それにしても天気が良すぎる。。)
▲車内に掲示してあった運賃表
バス車内に張ってあった、日高線の運賃表。
これみた私「駅多いなー(小学生以(ry
日高「本」線と名乗るだけありますね(?)
▲ずっと235号
ふたたび235号を下ります。
▲節婦駅
▲様似行きのバス車内の様子
様似行きのバスへは半分に満たない客が乗り換えました。
しかもほとんどが大きなお友達。
地元の方は2,3名程度。
このあたりから海と併走することが多くなります。
▲道道534号
ずっと235を走っているわけではなく、駅へ寄るためにそれた道へも入っていきます。
▲サラブレッドがちらほら
「ごろごろしてんなー。いーなーひなたぼっこきもちいいいいいいだろうな」
▲常に絶景である車窓
車窓はこんな風景がずうっと続きます。
そして日光があったかいんですよね。
そりゃあ眠くなります。
▲浦河駅
様似の1つ手前の自治体でそれなりに大きい街、浦河です。
ここでさえ乗車人員は乏しい数とのことで、、やはり通学需要がないと列車の存続価値はないのでしょうか……。
▲様似駅前
乗客の人数をほとんど変えないまま、日高線の終点様似駅にやってきました。
▲ご当地入場券を購入
▲様似駅の全景
1面1線の棒線駅……ですね。となりにもう一本線路があって待避できるようになっていますが、ホームはありません。
▲様似駅から見れる車止め
長い長い日高線の終着地。
苫小牧以外どの路線とも交わらない、全長146.5kmの超超長い盲腸線の終着です。
▲様似駅の窓口横に貼ってあったバスの時刻表
▲様似八景フットパスの順路を示す看板
フットパス、ぜひ行きたいな。
今度レンタカーで来たときは選択肢にいれよう。
▲様似駅全景
車止め越しにみる終着地「様似」。
旅情を感じる素晴らしい写真ではないでしょうか。
釧路でも函館でもコープ「さっぽろ」。
さっぽろとは……。
▲様似駅から最も近い海岸(徒歩5分)
もちろんここ様似も太平洋に面したまち。
……ということで、歩いて5分の海岸までやってきました。
聞こえる音は、海鳥の羽ばたく音と静かに押し寄せる波の音だけ。
どこか異世界に飛ばされたといわれても不思議には感じないくらいの静寂。
日の光がまぶしく、風も心地よい。。
あぁ。なんて素晴らしい日なんだ。
「れいわ」という新時代が私を迎えてくれている___
※「れいわ」が変換できないポンコツPCで執筆しています。
※上記の言動はフィクションです。
▲駅から徒歩5分程にある様似町役場
北海道をまわっていていつも思いますが、うまくできたコンパクトシティーだなぁとよく感じます。様似もその1つ。
そりゃあどこも計画的に開拓された街だからでしょう、といわれればその通りなのですが。
行政や商店、住宅が1カ所にキュッと集まっていて、住みやすそうな街だなあとある種の羨望の眼差しを向け
▲様似町役場前の広場
役場前にはさまざまなモニュメントが。
▲街中心部を貫く国道336号
さて、足を進めましょう。
▲様似川と様似橋
あらゆるものに「様似」とついてますね。
適当に作って遊んでるゲームみたい(良い意味で)。
▲様似川の河口。目の前は太平洋。
写真では余り伝わりませんが、半分くらいの海鳥がこのあたりをずっと飛び回っていました。
まるでおにごっこをしているかのよう。
それを見守るもう半分の親鳥たち。
平和な近所の公園の風景そのままです。
▲国道336号おにぎりのベストショット
おにぎりの回収も忘れません。
(「336」の看板がこのあたり意外と多く、どの看板どのアングルからがベストショットか悩みこのあたりを30分もうろうろして行き交う(数少ない)地元の方々から引いた目で見られていたのはヒミツ)
結局、選ばれたのはこの写真。
奥に車も入っているし、、ちょっと不満。
▲エンルム岬「山麓」
様似を一望できる展望スポットがあると聞きつけやって参りました。
先に述べておきます。このあと汗だくになりました。
▲エンルム岬からの眺め
ん。
素晴らしい。
……昔の人なら一句詠めるんでしょうけど。
文才が無い自分には厳しいものがある。
……といって「素晴らしい」の一言で終わらせてしまうほどもったいないことはしませんよ。
……なにが素晴らしいかって、まず360°の大パノラマが望めること。
青い空。そして心地よい風が吹き付けていること。
地形もとても特徴的で、他ではあまりみることのできない景色だと思います。
写真では少し切れてしまっていますが、左側の苫小牧方面、右側の襟裳岬方面の海岸線が、晴れていて見通しが良かったことも相まって、遠くまで一直線に見えました。
地図でみられる大きな地形(構造物)を生で見られた時の感動といったらたまりません。
ここエンルム岬が、海岸線から少し出っ張るような形で外にはみ出ている構造だからこそ見られる絶景ですね。
そしてここエンルム岬が人工物ではないこともまた素晴らしい。
昔の人も全く同じ光景を見て感動していたことでしょう。
昔の人の方が感性豊かですからね(偏見)。
▲襟裳岬……??
あそこに見えるのは襟裳岬であっている、、と思うのですがどうかな?????
……襟裳岬ということにしておきましょう。
一度はぜひ襟裳岬に行ってみたいものです。
逆にここまで来て襟裳岬に行かないという人はなかなかいないんでは?(ブーメラン)
▲様似八景フットパスの順路を示す看板
また会いましたね様似八景フットパス順路案内看板くん。
▲エキノコックス患者
あ!もふもふきつね!!
いますぐ近寄って抱えて毛並みを触りたい!!!!
▲観音山公園
観音山公園というところにやってきました。
エンルム岬からちょうど反対側に位置する、これまた高台です。
▲観音山の看板
汗だくなう。
▲観音山展望台入口
しっかり展望台も整備されています。
では登りましょう。
▲展望台からの景色
写真右側にある、海岸線から出っ張っているのが、先ほどまでいたエンルム岬です。
こちらも大した絶景だと思いますよ。
個人的にはエンルム岬からの景色の方が感動しましたが(そういうことを言ってはいけない)。
▲様似エリアの地図
ちょうどみてきたところは様似海岸エリアとよばれるところのようですね。
▲336号
大満足の様似観光。
さて、、そろそろ帰るとしますか。
……なんてったって札幌まで6時間かかりますから。
▲様似駅の裏側にあるスペースにて
様似駅前には大きな野外ステージ場??がありました。
ちょうどベンチもあります。
お借りしておやつといきましょう。
▲正面に見えるのが様似駅
線路脇を少し歩いて遠くから様似駅を撮影。
▲苫小牧方面
▲様似駅
こんどは近くから。
ここに列車が来ることはもうないと思うと、急に寂しい気持ちになりますね。。
正式に廃線が決まったらこの駅と線路はどうなるんでしょうか。
そろそろバスの時間です。
今度こそ帰ります。
▲海岸線と平行して走る日高本線。よく見ると線路と線路の中に砂利が入り込んでいる箇所がある。
▲バス車内
バスでは前面展望が楽しめる席をゲット。
……前面展望にしては少し遠い気が。。
▲草を生え散らかしている日高本線
▲もう閉まることのない踏切
▲日高本線と太陽
▲日高本線と太陽とおにぎり235号
▲ホントに海岸すれすれを通る日高本線
▲静内駅ホーム
静内行きのバスは終着の静内に到着しました。
ご当地入場券を購入して駅構内にいれてもらいました。
▲もう使われないであろう静内駅ホーム
夕焼け時が相まって素晴らしく幻想的な雰囲気。
いまにもキハ40がやってきて帰路を急ぐ地元の学生で賑わいそうな雰囲気。
いまにも優駿浪漫がやって来て買い物帰りのマダムたちの笑い声が聞こえてきそうな雰囲気。
ただしばらくして気づく。
もう列車が来ることはないのだと。
線路が錆びることなくきれいに残っているからこそ、一層寂しさが伝わってくる。
そんな写真です。
▲静内駅構内踏切から撮影。苫小牧方面
▲様似方面
駅舎が立派なのはもちろん、駅前には大きなはロータリーが整備され、人々の往来が活発であることを実感しました。
日高線旅の最後としては最もふさわしい場所だったかもしれませんね。
最後の代行バスはこちら。
地元部活帰りの高校生がたくさん乗車してきました。
▲夕陽と日高本線
▲手入れのされていない線路
▲連結する様子
鵡川に到着。
▲苫小牧行き
長いblogをここまでおつきあいいただきありがとうございました。
帰りの代行バスでは、日高本線が不通になった原因の「厚賀~大狩部間の高潮による路盤流出」の現場をみてきました。
線路が宙づりのままになっていた姿には、事前に調べて知っていたにも関わらず衝撃を受けました。
日高線はおそらく今後廃止になると思いますが、今後、沿線地域にあった公共交通を築いていかれることを願っています。
旅行日:2019年4月29日