廃線間近‼︎ 晩年の札沼線(学園都市線)を存分に味わう旅【日帰り旅⑥】
▲札幌駅9番ホーム
ゴールデンウィーク10連休がもう懐かしい。。
JR北海道企画の1日お散歩切符を使った日帰り旅第6弾‼︎
2020年5月で廃止が決定した、JR北海道札沼線/北海道医療大学〜新十津川間を巡ってきました‼︎
▲札幌駅のkioskで購入
今回のルートは、
です。
滝川→新十津川間は徒歩での移動となります。
札沼線往復でも良かったのですが、なにぶん「往復」はなるべく避けたいと思う性分なので……(日帰り旅④日高線旅の札幌⇆様似往復は仕方ない)。
それに、ある場所(今回は新十津川駅/札沼線)を堪能するには、そのまわりも見る方がより満喫できるとの考えでして、そのとき「徒歩」が一番じっくりと満喫できる手段だと思うんですよね。
新幹線に乗っても旅気分はあまり味わえませんがローカル線なら味わえる、これと同じ原理です。
よく「徒歩」での旅もしていますのでお見知り置きを…(体力の消耗が激しいからいつもセーブしてる)。
札幌 7:00発 函館線 普通 滝川行き
クロスシートで頂く朝食は絶品ですね。
岩見沢駅で特急の待避中。
日高線を走らなくなって余った優駿浪漫、、根室本線岩見沢までくるようになったのね。
8:36 滝川 着
▲滝川駅構内にある時刻表の裏側
ホーム上にある時刻表の裏からお宝時刻表が!!!
「4:30 急行利尻 札幌行き」との表記、、これは大興奮。
寝台急行列車がビュンビュン走っていた国鉄の全盛期の様子を生で感じることができた(私にとって)数少ない経験になりました。
▲滝川駅前ロータリー
滝川へはもう4,5回目の訪問です。
前回来たときから駅前は新しく整備されていましたね。
……ということで、滝川から新十津川までLet's walk。
▲滝川から南に徒歩5分くらいのところ。左は函館本線。
新十津川へ向かうには、北回りと南回りの2ルートがあります。
北ルートの方が距離は短いので、滝川と新十津川間を歩かれるほとんどの方は北ルートを採用するかと思います。
バス路線も北側を走っていますしね。
ちなみに新十津川を訪問するのは今回で2回目。
1回目の訪問は2年ほど前。札沼線で新十津川まで行き、その後滝川駅まで北ルートを通りました。もちろん徒歩で。
……ということはつまり、今回は「南ルート」一択、というわけです。
▲コンクリートとコンクリートのわずかな土から力強く自生するたくさんのタンポポ。狭そう。
徒歩約40分の道のり。
ただこんな道草の写真とか撮ってるから1時間かかりました。
▲たんぽぽ畑。天気も快晴で風も気持ちいい。「たんぽぽベッド」などと錯覚しダイブして寝っ転がりたくなった。
▲橋の上から見る函館線
函館本線を上から眺めます。
「複線、電化、高規格、ロングレール」、これ覚えておいてくださいね。
▲国道451号線
樺戸山地がよく望めます。
札沼線の背景といえば樺戸山地か広大な畑のどちらかでしょう。
▲石狩川(河川敷)
北海道で一番長い川、石狩川です。
函館線と札沼線はほぼ平行して線路が伸びていますが、その間には石狩川が流れています。
▲広大な河川敷
なんといってもその河川敷の広さ!
さすが北海道、スケールが違う。
▲石狩川
大きな河川敷の割には川幅小さくない??
河川敷が広くとられているのには、単に北海道だからというだけではありません。
石狩川はその昔、大氾濫をたびたび起こしていました。理由は川があちこちで蛇行しているから。石狩川の由来も「非常に曲がりくねった川」というアイヌ語が由来です。
北海道は「雪融け」というイベントが毎春発生します。氾濫するにふさわしい条件がそろっていたんですね。
明治期、北海道を開発するにあたって毎年氾濫されては困ると、川の流路をなるべくまっすぐにする工事(直流工事)が行われました。
曲がっていた川をむりやりショートカットさせるといった具合です。
すると川の流路から外れてしまう、かつては川だった部分が生じます。
それが三日月湖や湿地としていまもなお残されています。
流量が多くなる春先に備えて、また三日月湖や湿地が近くにある理由で、広大な河川敷が用意されているというわけです。
石狩川は、信濃川、利根川に次いで3番目の長さを誇る一級河川。
ただ、これは工事後の長さ。
工事前の長さは(明治期ということもあり)正確に測られておらず、一説では、当時は日本一の長さだったのではともいわれています。
▲新十津川駅前の看板
9:35 新十津川 着
石狩当別から来た列車は9:28着なので、すでにホームには列車が。
そして駅前にはすでに大きなお友達がたくさん。
▲駅舎
▲ラストランまであと354日
ラストランが決まって間もないですが、そこまで混んではいませんでした。
GW10連休後の土日だからでしょうか。
▲駅舎内の看板
▲時刻表
1日1本のみの時刻表。
2016年のダイヤ改正で3往復から1往復に減便されました。
また、同時に1日1往復のみだった石北本線の上白滝駅が廃止となり、新十津川駅は唯一の1日1往復駅として一躍有名になったのでした。
列車は9:28に到着し、10:00発に折り返し発車します。
2年前に訪れた際は、9:28着9:40発だったと記憶しています。
来た列車で折り返そうとする人たちにとって12分は短すぎた印象です。
その点、32分の滞在時間があれば、鉄道好きの人にとっては満足して帰れますね。
当時は「新十津川と滝川が意外と近い」という事実に気づいていない人が多かったのか、一緒に乗ってきたお友達はみんなその列車で折り返し、私一人のみが駅に取り残されました。
いまでは「徒歩圏内」であることは随分知られてきたようで、この日も列車に乗らずに滝川方面へ歩いて行く人たちの姿がたくさん見受けられました。
▲駅舎内のポスター。壁一面にぎっしりと貼られていた。
▲新十津川駅ホーム。舗装はされておらず、砂利のホーム。
この姿ももう1年しないうちにみれなくなるなんて、正直残念ですね。
もちろん、利用されていない路線が廃線になるのは当然のことですし、地元の方々が利用しやすい、その地域にあったあるべき交通体系を整えるべきという私の意見はいままでのblogでも述べてきていることですのでご承知おきを。
▲石狩沼田方面。車止めがみえる。
終着駅には寂しい1面1線の棒線駅。
かつてはこの先留萌線の石狩沼田まで線路は続いていました。
札沼線の由来は、札幌とこの石狩「沼」田駅です。
新十津川から石狩沼田間の廃線は1970年代のことですので、廃線跡はほとんど残っておらず、特別保存されることもないまま自然へと還っています。
鉄道好きとしては、ここにかつて札沼線が通っていたとわかる遺構をいくつか残しておいて欲しいなと願うものですが・・・。
▲駅名標
▲札沼線専属のキハ40
警備員さんが立つようになったんですね。
やはり廃線が決まって、鉄道ファンが押し寄せてくるからでしょうか。
2年前は当然いませんでした。
▲購入したご当地入場券と、無料で配布していた終着駅到達証明書
いやぁ~、いいものをいただいちゃいました(笑顔)。
嬉しいですね、大切にしようと思います。
▲観光案内所の看板
▲車内の様子
そろそろ発車です。早めに列車に乗っておきましょう。
お客さんはボックス1つに1人ずつといった具合。
▲駅名標とかわいらしい子どもたち
なんと愛らしい子どもたちが踊りを披露してくれました!
目の前にある「空知中央病院」の保育所のお子さんたちだそうで、毎週土曜日に行っているのだそうです。
2年前は子どもたちも列車に乗り込んでいたような気がしますがやめたようです(それで1つお隣の駅で降りるとかなんとか言ってたような)(記憶違いだったらごめんなさい)(さっきから2年前2年前うるさいんだよ田舎のおばあちゃんか(ry
▲進行方向右手の車窓。ずっとかわらずこの車窓。
しばらく前面展望を楽しみました。
樺戸山地を望みながら両側田園地帯を貫くように爆走(50km/h)。
そして田園地帯のど真ん中に突如として現われる板張りの無人駅。
10:13 鶴沼 着
「え。1日1往復の最終列車を降りたの?」
「しかもこんなど田舎で」
▲札幌方面
本日の列車は終了しました。
▲鶴沼駅全景
1面1線の棒線駅。
列車が交換可能なのは、随分先にある石狩月形。
それまでは棒線駅のみです。
終着の新十津川も棒線駅なので、石狩月形からは1編成しか進入できません。
札沼線石狩月形から新十津川間は全国でも珍しい(正確には全国で3ヶ所しか行われていない)スタフ閉塞区間となっています。
スタフと呼ばれる特別な通行証のような物を持った列車のみが、石狩月形から先の区間への進入が許されます。
▲駅舎内
駅舎内は雲の巣で張り巡らされていました。
ドアの建て付けも随分と悪かったような……。
他のJR北海道の駅で見られる物小屋駅舎の雰囲気と似ています。
鶴沼駅は2013年から1日の乗車人数が0人となっています。
すぐ目の前に国道275号があり民家もまばらにはあるのですが…。
▲鶴沼駅ホーム上からみえる景色
のどかな駅です。
天気の良さも相まって、景色が素晴らしい。
さて、鶴沼駅をたっぷり堪能したところで、そろそろ出発です。
駅で次の列車を待ちたいところなのですが、次の石狩当別行きは23時間半後。
残念ながら待てません。
向かうはお隣浦臼駅。
浦臼までいけば、1日6往復の列車が運行されているので、それに乗ろうというわけ。
ちなみに距離は3.8km、徒歩50分。
今日2回目のLong Walking。若いので頑張りますよ~!!(シーズンオフになったスキー部の運動不足解消のためとは言えない…
札沼線は、275号線と比較的併走しており、新十津川から石狩当別までのなんと約52km、ほぼ併走しています。
列車が自動車よりも優位にたてるものとして、「大量輸送」「速達性」があげられます。
車社会になっても、この2つが確保されていれば、鉄道の需要は見込めます。
首都圏や京阪神など、鉄道が不可欠な地域はいまだ多くあります。
では、札沼線はどうでしょう。
1両編成の列車は、路線バスで運べる人数と大差がありません。高規格路線ではないため、列車の最高速度もせいぜい60km/h。
実際、新十津川から石狩当別まで、列車は90分かけて走ります。表定速度は驚きの24km/h。車であればせいぜい1時間くらいです。
さらに、そう遠くないところに、さっき見下ろした函館線が走っているという追い打ち。
▲バス停「鶴沼市街」
国道にはもちろんバス停。
バスの方が運賃も安いし、速いし、バス停の間隔は駅の間隔よりも短いから、便利。
▲バスの時刻表
そしてとどめはこの本数の多さ。
……、と思ったけど1日4-5本か。。
浦臼以南の列車本数と大差ないようですね。
▲国道275号沿いにある道の駅「つるぬま」
さすが国道沿い、立派な道の駅があります。
この向かいにある浦臼温泉施設にて「浦臼駅ご当地入場券(後述)」をget!!
▲道の駅駐車場
鶴沼で降りてここまで歩いて来た真の理由、それは「浦臼駅ご当地入場券」を買うことに他なりません。
浦臼温泉は、浦臼駅よりも鶴沼駅の方が近く、「最寄りは鶴沼駅です」との注意書きがJR北海道HPに書かれていました。
▲自販機に書かれた道の駅つるぬまのシンボルと浦臼町のカントリーサイン
▲道の駅に出店しているお店
おいしそうなほたてごはん……。
道の駅に併設されてる公園で頂きました。
青と緑のコントラストに涼しい春風を浴びながら頂くアツアツのほたてごはん(No Photo)。
▲1日2回しか作動しない踏切
▲浦臼神社。階段を登ったさきにある(らしい)
近くには浦臼神社があります。
この階段を登る体力はありません。
ここは紅葉で有名なところ。
「札沼線ギャラリー」などで、紅葉のきれいなその踏切をキハ40が通っている写真なんかがよくみられます。
さて出発。
浦臼駅まではあと3分の2くらいあります。
鶴沼公園ではたくさんのスワンボートが泳いでいました。
お出かけスポットとして有名なのでしょうか。
▲沿線はのどかな田園風景が広がる
▲「月形17km」「当別38km」「札幌64km」。北海道らしく道路の線を示す矢印もしっかりある。
線路と道路の間に特に柵とか設けられていない札沼線。
これ線路をまたぐように道路らしきものがあるが、、第4種踏切なのか?それとも警告看板とかないから踏切ではない?
……北海道ではそんな細かいことは気にしません。
▲浦臼町町役場
そして浦臼町の中心部へ到着。
町役場がお出迎えしてくれました。
▲コンビニ(?)Picolu
町役場前のコンビニ(?)Picoluでお昼を調達します。
▲駅舎内にある時刻表
どうですこの発車時刻表。
新十津川行きは9:06発が最終。
乗ったらどうやって帰ってくるんですかねホントに。
一方当別行きは6本。
利用者も2桁いるようです。
▲浦臼町歯科診療所の入口
浦臼町歯科診療所が駅舎内に併設されています。
……というよりは、この歯科診療所が駅舎の役割も兼ねている、、といったほうが正確かもしれません。
▲札沼線PRポスター
札沼線のポスター。
ポスターにもあるように、札幌から比較的近く、お手軽に「キハ40で旅」気分が味わえる最高の場所だと思います。
この待合室でお昼を頂いていたのですが、同じく駅舎内で列車を待っていたおじいちゃんが携帯電話で電話しており、
「いまから汽車に乗る。帰りはバスで帰る」
とお話ししていました。
▲バス停「浦臼駅」と時刻表。意外とバスよりも列車の方が本数は多い。行き先が違うので比較はできないが。
▲ちょうど折り返し列車が入ってきた浦臼駅をバックに撮った浦臼駅ご当地入場券
このご当地入場券も1年後には手に入らないレアもの。
大切にしようと思います。
▲浦臼駅前
▲折り返し作業中のキハ40。口が「がばー」とあいている姿がちょっとかわいい
ただ、線路の敷地がやけに広く、昔は交換可能な駅だったのかもしれません。
浦臼行きの列車として入線(12:44着)し、10人ほどが下車。
一度ドアを閉めて点検し、折り返しの作業を行います。
▲駅ホームに咲く町の花ツツジ。たぶん(違ったら教えてください!!)
▲月形・札幌方面
▲浦臼駅に停車中のキハ40
浦臼駅には信号機がありません。
浦臼行きとして運行された列車は、信号機の指示なく、時間になったら折り返し発車していきます。
先ほどご紹介したスタフ閉塞区間のため、信号機がいらないんですね。
▲列車内からみる浦臼駅
扉があいていざ乗り込み!!
乗客は15名ほど。
うち地元の利用者がほとんどでした。
浦臼以南は随分利用されている印象です。
……まあ、15人の利用が「随分」になるのかは怪しいところですが。。
▲進行方向左手の車窓。わりとずっとこんな感じ。ただ木が生い茂っているところもしばしば走行した。よく列車に雑草やら木やらが当たる音がしていたが空耳だったということにしておこう。
13:46 石狩月形 着
新十津川からここまで、交換可能な駅はありません(廃線となる石狩当別~新十津川間で唯一交換可能な駅です)。
ここではお隣豊ヶ岡駅のご当地入場券(後述)を購入します。
▲駅を背に向けて撮った写真。つまり駅前一等地。
ここからお隣豊ヶ岡駅までLet's Walk!!(3回目)
▲徒歩10分くらい
距離は6.4km、徒歩90分。
▲汽車のデザインのした看板
ホラ、今回使っているきっぷの名前覚えていますか?
「1日散歩きっぷ」ですよ。
▲浦臼方面
お散歩しましょう♪
▲なんだか後ろの風景にミスマッチな踏切
でもさすがに歩きすぎて足パンパンになりそう。
▲歩道がない・・・
道はup downの激しくなりそうな雰囲気を醸し出している……。
▲なにかのサムネに使えそうな絶景
どうですこの絶景!!
道道106号も顔負けのView!!
▲徒歩20分くらい
▲急にひらけて田んぼがあらわれた
このあたりも日本の田舎、って感じがするけど、家々がまわりに全くない点をみるとやはり北海道ならではの景色(雰囲気というべきか)だなぁと思います。
▲森を抜け、あたりを一望できた
▲つまり絶景!!
自然に囲まれている!!!!
日々の疲れを癒やしてくれます・・・
▲橋から見下ろす豊ヶ岡駅
豊ヶ岡駅を上から見下ろします。
ここは豊ヶ岡駅の、ひいては札沼線の撮影地として有名なところ。
浦臼駅で貼られていたポスターの写真にもなっていましたね。
▲豊ヶ岡駅ご当地入場券
石狩月形駅で購入したご当地入場券。
大切にしようと思います(n回目)。
豊ヶ岡駅は札幌から最も近い秘境駅として知られており、「お手軽秘境駅」とよく呼ばれています。
森の中を貫く線路にぽつんとある駅、というのがとてつもない秘境感を漂わせています。
豊ヶ岡駅は1961年の開業。
住民からの請願駅(字のごとく住民が駅を作って欲しいと国鉄にお願いをして誕生した駅)です。
そしていろいろあって現在の利用者数は1人/日。
▲駅へと続く道
では豊ヶ岡駅へと向かいましょう。
この砂利道を進んで行きます(北海道では特段珍しいことではない)。
▲左手が駅ホーム。向かいの小屋が駅待合所
歩くこと3分で到着。
駅の目の前ですからね、第4種踏切がしっかり用意されています。
▲月形方面
▲駅名標
▲駅名標と線路
豊ヶ岡駅に降り立ちました。
緑のネットがあるのがちょっと風情をかき消している気がしま(ry
……そんなことない!!安全のためには必要不可欠です!!!
▲駅舎内
非常に雰囲気のある駅舎内に入ります。
豊ヶ岡駅の四季折々の写真や当時の札沼線PRポスターなど、山のように貼られたり置かれていたりしていました。
豊ヶ岡駅がとても愛されていることを実しました。
列車が来るまでの30分間、迫り来る虫とバトルしながらこのお手軽秘境駅・豊ヶ岡駅を堪能しました。
今回も非常に充実した旅となりました。
札沼線が廃線になるまでの間もう一度来ることはないでしょうから、これが最後の訪問になることと思います。
列車に乗るのも楽しいですが、その路線の駅をはじめ、その地域の地理や人々の暮らしの様子を見ながらゆっくりと進む旅というのは最高ですね。
今後もこのような、ただ列車に乗るだけでなく、その街を満喫していく旅を楽しんでいくつもりです。
ここまでお読み下さりありがとうごさいました!
また次回もみてやってください。